自家製経口補水液の作り方と注意点

経口補水液とは

 

 

前項で既に少し触れましたが、経口補水液には重要な役割があります。胃腸炎などで吐いた時や下痢の時、汗をかいた時でも身体は体液を失っていきます。この失われる体液の中に、塩分(ナトリウムやカリウムなど)が含まれています。つまり、脱水症状とは、体から水分と塩分が同時に失われている状態のことを指しています。

 

経口補水液は、こうした水分、塩分、糖分を腸から吸収しやすいような割合で作った飲料となっています。これは病院で使われる点滴と同じような成分であり、いわゆる「飲む点滴」と呼ばれるのはそうした理由があるからです。

 

経口補水液は英語で「Oral Rehydration Solution」、略して「ORS」とも呼ばれます。食塩とブドウ糖を混合して水に溶かしたものです。ブドウとは、グルコースとも言い、脳のエネルギー源です。砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖に分解されるので、調味料の砂糖とは別です。

 

この経口補水液を飲用すると、小腸において水分の吸収が行われ、主に下痢、嘔吐、発熱等による脱水症状の治療に使われているのです。下痢、嘔吐、発熱が長期間に及ぶと脱水症状は起こりやすく、小児や老人では死に至る危険性もあります。そこで病院では主に点滴での水分補給を行いますが、簡便なので経口補水液による治療も普及しつつあります。

 

経口補水液の開発背景は、小腸でナトリウムイオンとブドウ糖が吸収される時に、水も吸収される仕組み「共輸送系」が発見されたからです。糖と食塩を同時に与えることで、水分吸収を担う大腸ではなく、小腸から水分と栄養分を補給できることに経口補水液の意味があるのです。