自家製経口補水液の作り方と注意点

経口補水液の成分

 

 

経口補水液の成分ですが、いろいろなレシピがあります。汗で失われるのは水分が多いのですが、嘔吐の場合はナトリウムが多く失われ、下痢の場合は更にナトリウムが多く失われます。またカリウムもナトリウム並みに失われます。

 

ちなみにカリウムの補給は、リンゴ、バナナ、マスクメロン(プリンスメロンではない)、トマトが役に立ちます。WHO/UNICEF(2003年改訂版)での経口補水液のレシピは、水1リットルに対して、ブドウ糖13.5g、クエン酸三ナトリウム二水和物2.9g、食塩2.6g、塩化カリウム1.5gとなっています。

 

これに限るわけではなく、この他にもいろいろなレシピがあり得ます。ただし、成分の範囲があるそうです。

 

別レシピA:水1リットルに対して、ブドウ糖 20g、塩化ナトリウム(食塩)3.5g、炭酸水素ナトリウム(重曹)2.5g、塩化カリウム1.5gの割合で溶解したもの。

 

別レシピB:水700mL、無塩トマトジュース300mL(カリウムの補給、下痢の場合繊維分が影響する)、食塩3g(小さじ1/2)、砂糖40g(上白糖大さじ4と1/2)。

 

別レシピC:水1リットルに対して、砂糖 40g、塩化ナトリウム(食塩)3g。

 

別レシピD:水1リットルに対して、砂糖小さじ6杯)、食塩小さじ半杯。

 

このようにいろいろあるのですが、基本的には、水1Lに対して食塩9gという比率が体液と等張の生理食塩水です。細胞外液の脱水、虚血に対して急速輸液する際はこの比率が用いられています。消化管からの吸収率を向上しながら、カロリーの投与を兼ねる場合は糖分を添加し、浸透圧の分塩分を減量します。そして、長期投与での純粋水分の蒸散に対応して純水分の割合を増やした物が経口補水液(ORS)として使用されます。経口補水液について厳密に書くと、こういったことになります。